戦後

ぼくは太平洋戦争が終わってまだ18年しか経たない時に生まれ育った。所謂「戦争を知らない子どもたち」だ。今にして思えば、まだ18年しか経たない世の中で元気に子どもらしく安全に暮らして来れた事に感謝と驚きさえ感じる。日本は高度経済成長と共に物の価値観が大きく変化し豊かな時代になったはず。でも現代に至るまで世界を見渡せば、どこかで戦争は絶えず起きている。それどころか日本も防衛費を倍にするとか徴兵制が必要だとか現実的に逆方向へ舵を切り出してしまっている。世界で唯一の被爆国でありながら平和の意味を世界へ発信できているのだろうか。子どもの頃は20年なんて程遠い時間に感じてたけど、大人になればなるほど20年なんて最近の範疇だ。じゃあ20年後に生きているかと想像すればそれは難しい。人生なんて虫なんかと同じで意味などない。たまたまそこに居て死んで行く。だから生きているうちに未来に役に立つ何かを少しだけでも残せたらと思う。それは生きてきた証ではなく形であり歴史なんじゃないかな。未来の子どもたちが戦争に巻き込まれ苦しい思いだけはさせたくない。戦争を知らない世代の人間が戦争を再び始めようとしている。絶対にあってはらならないことを。