下町兄弟とは Who is Shitamachi-Kyoudai?
1人でも下町兄弟?… 元々の起源はMotomy(工藤玄実)とHit’c(宮田人司)の2人の出逢いによって1992年に結成。Hit’Cはベーシストでありトラックメイカーとして活動中、AlfaRecordsに所属していたMotomyとの出逢いから意気投合し制作を開始。Shibaura Records
を立ち上げ12inchをプレス、全国のclub/discoへ配布。Hit’Cは起業しその後Motomy(BANANA ICE)は独立し下町兄弟を続けていきながらソングライトやアレンジに従事。二人の出身が東京下町の為、東京の東側を拠点とした歌詞のテーマが多く、独自のフローでシリカルな歌詞とテーマを個性に、所謂一連の日本のHipHopブームの流れとは一線を引いた立ち位置で唯一無二の存在としてキャリアを築いている。
創成期 Early life
1976年、中学生時代に地元のバンドでドラムを始める。以降1982年までスタイルを変えながらコンテストに参加。渋谷Live Inn でレギュラー・マンスリーを始めた頃オーディエンスから「あの人、バナナの叩き売りみたい」と言われたことからBananavender&The JungleFiveと命名(バンド名由来はGrandmaster Flash & The Furious Fiveをリスペクトすることから)日本語のラップでMazda College Sound Festivalで決戦大会に出場、惜しくもグランプリを逃したもののオリジナル作品がCX系『ひらけ!ポンキッキ』のCPの耳に触れBananavendersに改名「みんなであそぼうどうぶつかぞく」でメジャー・デヴュー。DJそしてFMの制作デイレクターとして活動していたDJ Malibuと組みテイチクレコードよりアルバム「廃盤」を制作。時を経て前述1992年ベーシスト/トラックメイカーのHit’cとの出会いから下町兄弟として12inch盤を中心に活動を再スタート。プライベート・レーベルSHIBAURA RECORDSを設立しアーティストは自分で作り自分で宣伝し自分で売ることをモットーに真のインディペントを目指す。渋谷のclubでゲリラ・ライブを行いJuliana’s TokyoやGoldで日本語ラップがプレイされ始めたことをきっかけにFM番組でも話題となる。Usenのフレッシュ・ミュージシャン・コンテスト第1回グランプリを獲得。ラップ・ミュージックに免疫のない時代にあって、ラジオ、有線、ディスコ、クラブ、TVコマーシャル、アイドルのラップ指導、とラップの可能性を開拓し独自のスタイルを築く。
成長期 Hit style
1993年日本で最初にRemix文化を築き上げたDJ集団M.I.D.の創始者DJモンチのプロデュー スでクラウンレコードからヒップホップのヒット・シリーズを定番化した『ジャパニーズ・ヒップホップ』収録の「酔っぱらってホテルでH」がヒットし、企画オムニバスから異例の後発シングル・カットとなる。1994年自主レーベルからCD化した「パリッ!とオバさん」は大阪FM802からインディーズ初のヘヴィー・ローテーション曲に選出され高売上を記録。こちらもディスコ/クラブDJの番組の力によって火が着いた。1997年「SISTA PANTS」はTBSラジオ『今月の推薦曲』に選出。ベーシスト笹本安詞氏と組みポニーキャニオンから発売の「ミモザの咲く頃」は映画『サラリーマン専科」の主題歌となりラップの壁を越える。同曲は2001年博多のClub Lab-Z
Remix(でのローテーションにより再ブレイクしREMIXと共に再発となりブレイク。TX系3Dアニメ『超生命体トランスフォーマー ビースト・ウォーズ』の主題歌「War War ! Stop
It」は現在も多くのアニメ・ファンから愛されている。TX系アニメ『ドンキーコング』では主題歌を手掛けたことからファンキーコング役に選ばれ初のアフレコに挑戦。劇場版『とっとこ!ハム太郎』では出崎統監督の下DJハム役で同じくラッパー・キャラを演じる。
熟成期 More Music
SHIBAURA RECORDSからは通算13枚のCDタイトルと5枚の12inchをリリース(ディスコグラフィ参照)しており最新のタイトルは2021年「Happy Walking」(デジタル配信のみ)を発表。全曲デジタル配信のみビクターエンタテインメントより契約発売している。作品ではトラック・メイキングからアレンジの全てを自ら行なっている。楽曲詞提供、トラックメイキング、REMIX、アレンジでコラボレーションしたアーティストは多数(Works参照)、映画「さよならの請求書」出演、舞台「百年の孤独~Heart Of Gold」(パパ・タラフマラ)、「マハーバーラタ」(小池博史ブリッジプロジェクト)出演、djembeプレイヤーとしてR&B、Jazz、民謡、舞台と広範囲でサポート演奏活動を行なっている。Eテレ『にほんごであそぼ』では小錦八十吉氏が歌う「私と小鳥と鈴と」(金子みすゞ作)「小さき者へ」(有島武郎作)他、20年間作曲を担当。
日体大第55回体育研究発表実演会ではフィナーレ・ソングを制作「Winners 共に生きて行こう」を披露。
2021年結成30周年を迎えHit’CとMoyomy(BANANA ICE)のリユニオンが実現。再び結成当時のチームワークで新曲を「LIFETIME 」発表。熟成した新しい下町兄弟が時を経てRebootした。
サウンドとデザイン Making the tracks and artwork
サウンド・エンジニアには梶善則氏が創成記から携わっている。主なエクイップメントとして、AKAI MPC60、MPC3000、Oberheim、Ensoniq、Alesis、KORG、Roland、Mackie他、アナログとデジタルの融合で太いサウンドが特徴。創成期~成長期は主に細野晴臣氏の制作室として作られたとされるLDKスタジオを拠点にTridentのコンソールとOtari MTR90の組み合わせでアナログにこだわったAADのヘヴィでダイナミックなサウンドカラーを好みに作品が生まれている。TSR106「HANGE」c/w「ビックリ!あべさん」ではJVCスタジオでラッカー盤マスターを通してCD化を試みデジタル仕上げでありながらアナログ盤のサウンドを実現させた。ジャケットのイラストは「パリッ!とオバさん」「グリグリおじさん」「牡丹橋」「SISTA PANTS」(TSR101~104まで)は実兄の工藤史人氏による作画。アートワークは「友~Oh! One Night」(TSR109)以外全て五十嵐ルミ子氏が担当。TSR109は関口英男氏。また「Life Is Hell」(TSR112)は下町兄弟自らがイラストを描いている。 TSR113〜114はデジタル配信のみの発売となっている。