完全版マハーバーラタ終演

4日間の完全版マハーバーラタ公演が終演した。

前半後半合わせ6時間に及ぶ長尺公演は初めてだ。

しかし始まってしまうと余りに瞬く間で物足りない程に感じる。これは密度の高い作品ならでは毎度の事でもある。

作・演出家の小池博史さんとは今から16年前に大作の「百年の孤独〜Heart Of Gold」で演者として参加させてもらってから声をかけてもらっている。
物語の内容は違えど稽古の時からどこかで同じ臭いを感じていた。

生とは何か、死とは何か、異界への扉を行ったり来たりする描写が脳裏に浮かぶ。果たして今自分がいる世界はリアルなのだろうか、それとも虚構なのだろうか。

稽古場から一歩外に出た瞬間、現実がどちらか疑いさえする。マハーバーラタの公演は2013年から始まり、今回が集大成。当初から音楽面では主にラップを中心に参加させてもらった。同じシーンでも音楽はその公演によってスピードも内容も変化して来た。特に今回では日本語だけでなく英語、インドネシア語、タイ語、ジャワ語、中国語と様々の国の言語が入り交じり曲となり、今まで体験したことのない様なリズムと畝りが生まれた。

1曲毎に何度もトライ&エラーも繰り返しながら完成させた2ヶ月間の稽古を振り返るだけで皆と過ごした時間が愛しく感じる。

千秋楽の開場前ではステージ上にスタッフ含め全員が円陣となり祈りを唱える。
目を閉じていると不思議と一筋の大きな光が天井に向かって登って行く幻が浮かぶ。
それぞれへの感謝と作品への力が倍増して心が1つになった瞬間だ。
瞳を開けると皆が同じ涙を滲ませていた。

観に来てくれた人たちにも、きっとこのエネルギーが伝わってくれたと信じている。

二度とない瞬間の連続だったけど、2ヶ月間の稽古の1日1日と6時間の公演は一生心に刻まれるだろう。

この全ての繋がりに感謝します。
ありがとうございました!

Photo by 許方于
Photo by 樋口 トモユキ
Photo by 自撮り
Thanks a lot !!! for everyone!!!
Peace, respect and one love