東京に土がない

東京に土がない


都会に土や緑がもっとあれば...

少しでも空き地があれば

コンビニか駐車場になる

僕らが子供の時代は

空き地がたくさん

あったものだ。


辺り一面コンクリートと高層マンション群。

街路樹は伐採。

木陰ができるまでには

あと十数年先だろう。


近所の風情ある庭の木々が

伸び放題となっていた為

台風で危ないなどと

無理矢理な大義名分で

町会で伐採された


手入れがされていないために

落ち葉の処理に誰かが

苦情を言ったのだろう


人の庭の事だから

とやかく言う身分ではないが

庭師にでもお願いしていたら


四季を通して彩る

桜や紅葉は

これから何十年先も

癒してくれるだろう香りも

残されたことだろうが


実に無残なものだ


暫く鳥や虫たちは

行き場を失って

驚いていた様子さえ

伝わる



伐採される前は

夜、その家の前を通るだけで

東京とは思えない

生茂る

澄んだ緑の香りと

2-3度、摂氏が下がっているのを

感じた程だった


東京では

ちょっと雑草が生えただけでも

緑は

邪魔もの扱いされる


人間の感性は

人や環境で変化する


時には

動物たちも

そんな人間の

エゴで駆除されたり

住む場所を追いやられたりする


それを当たり前にしている都会の環境に

随分前から違和感を覚えている


人口は減少しているにも

関わらず

東京は密集し


自然とは裏腹に

無秩序に消費を加速させ

目先の不安を

人々が我先にと

貪るように

覆い隠そうとしている


そんな風潮に益々危険を感じている


街は人によって育ち

人も街の環境で育ち方は変わる。